電通大の2028推薦、面接が11月でも入試は1月まで終わらない
学校推薦型は共通テスト利用へ。Ⅱ・Ⅲ類の総合型にはCBTが追加される。科目表より、高2から高3冬までの準備の変化を見る。
学歴研究会偏差値表の外側を見る大学観察者11月に面接が終わっても、1月の共通テストが残る
推薦入試には「一般入試より早く終わる」というイメージがある。秋に面接を受け、合格が決まれば、冬の受験勉強から少し早く降りられる。
電通大が予告している2028年度の学校推薦型選抜は、その時間感覚と合わない。
大学が2026年3月に公表した変更予告では、現在の総合問題試験などに代えて大学入学共通テストの成績を利用する。面接試験は11月だが、共通テストは1月にある。
面接を終えた時点では、まだ選抜材料が一つ残っている。
科目が変わること以上に、この「推薦の終点が冬まで延びる」ことが受験生活を変えそうだ。
推薦と一般選抜の準備が、以前より重なる
現行の学校推薦型選抜では、大学入学共通テストと個別学力検査を免除し、総合問題試験、面接試験、提出書類を使う。Ⅰ類ではCBTによる基礎学力検査も課される。
2028年度は、Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ類とも総合問題試験の代わりに共通テストを使う予定だ。予告表では数学Ⅰ・A、数学Ⅱ・B・Cを軸に、物理、化学、情報Ⅰを類・専門教育プログラムごとに組み合わせ、4科目を利用する構成が示されている。
学校推薦型には、英語資格・検定試験でCEFR B1以上のスコアを持つことも出願要件として加わる。
推薦書、志望理由書、面接がなくなるわけではないので、一般選抜と同じ入試になるわけではない。ただ、数学や理科、情報といった基礎学力の準備は以前より共有しやすくなる。
ここで「推薦対策」と「一般対策」を完全に別物として持つ意味が薄くなる。
推薦に絞るほど、共通テストを切れなくなる
高校3年の夏から推薦を考え、志望理由書を書き、面接対策を進める。この部分は今までと大きく変わらない。
変わるのは11月以降だ。面接が終わっても、1月の共通テストが選抜材料になる以上、数学、理科、情報の勉強を止められない。
「推薦を狙うから、一般入試の勉強は最低限でいい」という戦略は取りにくくなる。
むしろ、共通テストで使う数学・理科・情報を、推薦と一般選抜の共通資産として先に作っておく方が合理的だ。推薦で合格すればそのまま使い、うまくいかなければ一般選抜へ残る。
2028年度の変更は、推薦だけのための勉強を増やすというより、二つの入試の土台を重ねる方向に見える。
総合型でも、Ⅱ類とⅢ類にCBTが入る
総合型選抜の変更も同じ方向を向いている。現行ではⅠ類だけが第一次選考でCBTを課し、Ⅱ類・Ⅲ類は書類選考から始まる。
2028年度はⅡ類・Ⅲ類にもCBTが追加される予定で、予告されている科目は次のとおりだ。
| 類 | CBT科目 |
|---|---|
| Ⅰ類 | 数学・情報 |
| Ⅱ類 | 数学・物理・情報 |
| Ⅲ類 | 数学・物理・化学 |
Ⅱ類では数学、物理、情報が並ぶ。情報だけでも物理だけでもなく、融合系という類の性格が入試科目にも出ている。Ⅲ類は数学・物理・化学、Ⅰ類は数学・情報だ。
総合型を「活動実績が強い人のための入試」とだけ考えると、2028年度は少しずれる。活動実績や志望理由は残るが、その活動を支える基礎学力も第一次選考で直接測る方向へ寄るからだ。
活動と学力のどちらかを代わりに使う入試ではなくなる。
英語資格は、秋に初めて気づくと遅い
2028年度の予告では、総合型にCEFR A2以上、学校推薦型にCEFR B1以上の英語資格・検定スコアを求める。TOEFL、TOEIC、IELTS、ケンブリッジ英検、実用英語技能検定、TEAP、GTECなどが対象として挙げられている。
ここで「B1なら英検○級」と固定して覚えるのは避けたい。検定ごとの対応や有効なスコア、提出条件は、正式な募集要項と対応表で確認する必要がある。
ただ、準備時期については今の予告だけでも判断できる。出願要件なら、高校3年の秋に初めて取りに行くより、高2から高3前半で必要水準を一度確保しておく方が余裕がある。
秋に使いたい時間は、志望理由、活動整理、面接、そして理数科目にも残っている。
英語資格で一番避けたい失敗は、難しい問題を解けないことより、締切までに条件を満たせず出願できないことだ。
「難化」とだけ呼ぶと、変更の半分しか見えない
共通テストが入る。Ⅱ・Ⅲ類の総合型にはCBTが増える。英語資格も必要になる。項目だけ並べれば、推薦・総合型が難しくなるように見える。
実際、要求される準備が増える部分はある。
一方で、数学、物理、化学、情報、英語資格は、推薦だけにしか使えない特殊対策ではない。推薦で結果が出なかった場合にも、一般選抜へ持ち越せる。
現行の総合問題のような大学独自形式へ大きく寄せた対策より、準備の再利用はしやすくなる可能性がある。
推薦と一般選抜のレーンが一本になるわけではない。ただ、線路の土台は以前より共有される。
この変化を「難しくなる」の一語で閉じると、受験勉強の組み方を考える材料が消えてしまう。
まだ「共テ何点で安全」とは言えない
電通大は2028年度入試について、現時点の情報を「予告」として公表している。詳細は決定次第、随時公表するとしている。
今の段階では、共通テストをどの程度の比重で使うのか、面接や書類との配点関係がどうなるのか、CBTの具体的な問題形式がどうなるのかは確定情報として扱えない。
今回の予告が具体的に変更を示しているのは学校推薦型・総合型選抜などで、一般選抜そのものの試験内容変更を告知するページでもない。
したがって、「共テ○%なら安全」「この科目だけ重点的にやればいい」という攻略情報を今作るのは早い。
骨格は見えているが、点数の地図はまだ描けない。
だから今決められるのは、合格点ではなく準備の順番になる。
高2のうちに作れるものは、もうある
2028年度入試の対象者なら、まず自分がⅠ・Ⅱ・Ⅲ類のどこを狙うかを考える。類によってCBTや共通テストで使う理科・情報の組み合わせが変わるからだ。
英語資格は、正式な募集要項が出たときに有効期間やスコア条件を再確認する前提で、必要水準を早めに確保しておく。数学・物理・化学・情報は「推薦用」「一般用」に分けず、必要科目を共通の基礎として積む。
活動実績と志望理由も、学力と別世界にしない方がいい。何を作ったのか、何に興味を持ったのか、そのために高校で何を学び、大学で何を続けたいのかをつなげる。
2028年度の推薦・総合型は、「勉強以外で受かるルート」というより、学力の上に活動や志望理由を重ねる入試として輪郭が濃くなる。
11月に面接会場を出ても、受験はそこで閉じない。
1月の共通テストまで続く前提で一年を組む方が、この変更には合っている。
参考資料 4
- 2028年度入学 入学者選抜における試験内容の変更について — 電気通信大学(確認 2026/8/31)
- 学校推薦型選抜 — 電気通信大学(確認 2026/8/31)
- 総合型選抜 — 電気通信大学(確認 2026/8/31)
- 選抜の種類と募集要項 — 電気通信大学(確認 2026/8/31)