電通大では、大学院に行くのが普通なのか

卒業生の7割が院へ進む。その数字から、電通大の4年後を考える。

7割という数字をどう見るか

電気通信大学では、学部4年で卒業してそのまま就職する学生の方が少数派になる。 大学の公式サイトによれば、情報理工学域・学部の卒業生の7割が大学院へ進学し、そのうち9割強が電通大の大学院へ進む。

この数字だけで「電通大生は院へ行くべきだ」とは言えない。 ただ、大学院進学を一部の研究志向の学生だけが選ぶ例外として扱うと、電通大の進路は読み違えやすい。

学部から修士までを連続した進路として考えている学生が多い。 まず確認したいのは、その事実である。

電通大では卒業生のおよそ7割が大学院へ進み、その院進者の9割強が電通大大学院へ進むことを示す図

院進を受け止める大学院の規模

進学率が高い背景を一つの理由に決めることはできない。 ただ、大学の構造は院進とつながりやすい。

情報理工学域では、情報、通信、電子、制御、ロボティクス、機械、物理など、研究室で専門を深める分野を多く扱う。 学部の卒業研究で本格的に触れたテーマを、そのまま修士で続ける進路を取りやすい。

大学院情報理工学研究科の博士前期課程は、2026年5月時点で入学定員520人である。 情報学、情報・ネットワーク工学、機械知能システム学、基盤理工学の4専攻があり、学域の先に大きな受け皿が置かれている。

学部の延長というより、研究室で専門が具体化した後に、さらに二年を使える構造になっている。

就職実績の内訳

電通大の就職先には、大手IT、通信、電機、メーカーが多く載っている。 その会社名だけを見ると、学部卒の就職実績だと受け取りやすい。

実際の公開資料では、NTTドコモや日立製作所などで、博士前期課程の修了者が学域卒より多い。 院進する学生が多い以上、技術系就職のかなりの部分が修士修了時に現れるのは自然である。

「修士ならその会社に入れる」という意味ではない。 就職先の表を読むときに、学部卒と修士修了を分ける必要があるという話だ。

電通大の学歴評価も、学部卒と修士修了を分けて見ると就職先の数字を読みやすい。

周囲の標準と、自分の進路

周囲の7割が進学すると、学部卒就職を選びにくく感じることはある。 環境としては自然な反応だと思う。

ただ、進学率は自分の判断を代わりにしてくれない。 研究室で続けたいテーマがあるか。 志望職種で修士の研究経験が生きるか。 学費と生活費を含め、二年間を置く価値があるか。

反対に、やりたい仕事へ学部卒で応募でき、研究を続けたい理由も薄いなら、周囲に合わせて二年延ばす必要はない。

大学院へ行くか就職するかを考えるときも、比較するのは肩書きではなく、この二年間の使い方になる。

受験前に見る「4年後」の先

電通大を受験校として調べるなら、学部4年間だけでは情報が足りない。 入りたい類やプログラムの先に、どんな研究室があり、対応する大学院専攻があり、修了後にどんな分野へ進んでいるのかまで見ると大学の姿が変わる。

もちろん、4年で就職してもいい。 外部の大学院へ進んでもいい。

それでも、卒業生の7割が院へ進む大学では、「学部4年で終わる学生生活」だけを標準像に置くと狭すぎる。 受験前から六年間の可能性を見ておくと、入学後の進路を現実に近い形で想像できる。

参考資料 4
  1. 進路状況 — 電気通信大学(確認 2026/8/30)
  2. 卒業・修了状況 — 電気通信大学(確認 2026/8/30)
  3. 大学院情報理工学研究科学生数 — 電気通信大学(確認 2026/8/30)
  4. 主な就職先 — 電気通信大学(確認 2026/8/30)
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