電通大のⅠ類・Ⅱ類・Ⅲ類は、何を分けているのか
15プログラムを名前だけで選ばない。情報、融合、理工の境目を学び方から読む。
類とプログラムは別の選択
電通大を調べると、Ⅰ類、Ⅱ類、Ⅲ類という名前と、コンピュータサイエンスや情報通信工学といったプログラム名が同時に出てくる。 最初は少し分かりにくい。
2026年度の一般選抜では、受験時にⅠ類、Ⅱ類、Ⅲ類のいずれかを選ぶ。 その後、2年次後学期から各類にある専門教育プログラムへ進む。
Ⅰ類に5、Ⅱ類に5、Ⅲ類に5。 合計15プログラムである。
類は大きな進路の幅を決める入口で、プログラムはその中で専門を具体化する段階だ。 この二つを同じものとして考えると、電通大の学び方を読み違えやすい。
Ⅰ類で扱う「情報」の幅
Ⅰ類は情報系と呼ばれるが、プログラミングだけを学ぶ類ではない。
専門教育プログラムは、メディア情報学、経営・社会情報学、情報数理工学、コンピュータサイエンス、デザイン思考・データサイエンスの五つ。 情報そのものの理論から、ソフトウェア、人間とメディア、社会、データ活用まで範囲が広い。
2年次では、コンピュータ、アルゴリズム、プログラムなど情報分野に共通する基礎を学び、その後に専門を分ける。
「情報系に行きたい」だけでは、まだ選択は終わらない。 コードを書くことを中心にしたいのか、数理へ寄りたいのか、データや人間・社会との接点を扱いたいのかで、同じⅠ類でも進路が変わる。
Ⅱ類にある境界領域
Ⅱ類は融合系という名前の通り、情報と物理世界の境目にある分野が多い。
セキュリティ情報学、情報通信工学、電子情報学、計測・制御システム、先端ロボティクスの五プログラムがある。
セキュリティや通信は情報寄りに見える。 電子、制御、ロボティクスはハードウェア寄りに見える。 実際には、その境界がⅡ類の中心になる。
通信ではソフトウェアだけでなく信号や電波を扱う。 ロボットでは機械だけでなく制御や情報処理が必要になる。 セキュリティもネットワーク、暗号、ハードウェアまで広がる。
情報と機械、情報と電子のどちらか一方にまだ決め切れない人にとって、Ⅱ類はその曖昧さを残したまま進める入口になる。
Ⅲ類で扱う理工の範囲
Ⅲ類には、機械システム、電子工学、光工学、物理工学、化学生命工学の五プログラムがある。
機械や物理を想像しやすい一方で、電子、光、化学、生命まで含む。 電通大を「情報と通信の大学」だけだと思っていると、この幅は見落としやすい。
Ⅰ類やⅡ類との境界も完全には切れていない。 たとえば電子分野はⅡ類の電子情報学にも、Ⅲ類の電子工学にも現れる。 違いを見るなら、電子そのものを学びたいのか、通信や情報処理との接続を強く残したいのかまで考える必要がある。
機械についても、Ⅲ類の機械システムとⅡ類の先端ロボティクス、計測・制御は近い部分を持つ。 名前だけで選ぶより、隣のプログラムまで見た方が自分の興味の位置をつかみやすい。
研究室から逆に見る
類とプログラムで迷ったとき、科目名を延々と比べても決まらないことがある。 その場合は研究室から逆に見ると早い。
電通大は研究室公開一覧やラボガイドで、Ⅰ類、Ⅱ類、Ⅲ類ごとの研究室を公開している。 興味のある研究を三つほど拾い、その研究室がどの類、どのプログラムにつながっているかを確認する。
AIという言葉に興味があっても、研究内容は画像処理、ロボティクス、数理、通信などに分かれる。 ロボットが好きでも、機構、制御、認識、通信では所属先が変わりうる。
研究テーマまで降りると、「情報系がいい」「機械系がいい」という大きすぎる言葉が少しずつ具体化する。
受験時に決めるもの
一般選抜では、最初に類を選ぶ。 その時点で15プログラムの一つまで決める必要はない。
だから、受験時に見るべきなのは一つのプログラムだけではない。 入りたい類の中に、興味を持てるプログラムが複数あるかを見た方がいい。
第一志望の研究分野が変わっても、同じ類の中に次の選択肢があるなら進路を組み直しやすい。 反対に、やりたい分野が別の類にしかないなら、「後で変えればいい」と考えるのは危ない。
電通大の類は、専門を決めない制度ではない。 専門を一度で決め切らず、二段階で絞る制度だ。
この構造を知ってから他大学との比較を見ると、電通大の「入学後に専門を選ぶ」という特徴がかなり分かりやすくなる。
参考資料 6
- 2026年4月入学 一般選抜の概要 — 電気通信大学(確認 2026/8/30)
- カリキュラムの特徴 — 電気通信大学(確認 2026/8/30)
- Ⅰ類(情報系)の紹介 — 電気通信大学(確認 2026/8/30)
- Ⅱ類のカリキュラム — 電気通信大学(確認 2026/8/30)
- Ⅲ類(理工系)カリキュラム — 電気通信大学(確認 2026/8/30)
- 研究室公開一覧 — 電気通信大学(確認 2026/8/30)