電通大は、名前以上に就職で評価される大学なのか
知名度だけでは測りにくい。大学院進学と技術系就職のデータから、電通大の立ち位置を見る。

電通大をどの物差しで見るか
電気通信大学は、大学名だけで位置づけようとすると判断しにくい大学だ。 全国的な知名度を直接測る公的な統計はなく、「高学歴かどうか」という言葉にも共通の基準はない。 一方で、卒業後の進路は大学が数字を出している。
情報理工学域・学部では、卒業生のおよそ7割が大学院へ進み、そのうち9割強が電通大の大学院へ進学する。 学部4年で就職する学生だけを見ても、この大学の進路の中心は見えない。
就職先の表に修士が多く現れる理由
院進率が高ければ、技術系企業への就職も修士修了時に多く現れる。 電通大が公開する令和6年度の主な就職先には、NTTドコモ、日立製作所、野村総合研究所、ソフトバンク、NEC、富士通、本田技研工業、NTTデータ、三菱電機などが並ぶ。 その内訳を見ると、博士前期課程の修了者を多く採用している企業が目立つ。
ここで確認できるのは、「電通大なら大企業に入れる」という保証ではない。 情報、通信、電気電子、機械、制御といった大学の専門領域と、卒業後の進路がつながっているという事実である。
大学名の知名度とは別の軸だ。
知名度と採用での評価
電通大について「名前が知られていない」と評されることはある。 ただし、それを全国規模で裏づける公的な知名度調査は確認できない。
一般の人が大学名を知っていることと、理工系企業の採用担当者が専攻や研究内容を含めて応募者を見ることは別の現象である。 両者を同じ「知名度」でまとめると、話が粗くなる。
一方、大学名を聞いただけで難易度や特色まで伝わる大学ではない、と感じる人がいるのは不自然ではない。 その場合に生じるのは、就職力そのものより、大学の位置づけを説明する手間に近い。
大学名のあとに何を話せるか
理工系の採用では、大学名のあとに専攻、研究室、卒業研究、修士研究、制作経験の話が続く。 電通大は大学全体が理工系に寄っているため、その接続を作りやすい。
情報系ならソフトウェアやネットワーク、電子系なら回路やデバイス、機械系なら設計や制御。 同じ電通大でも、類、プログラム、研究室が変われば、選考で説明する中身はかなり変わる。
大学名だけで評価が完成する大学ではない。 その代わり、大学名から専門へ話を進めたときに輪郭が出る。
偏差値表の先にある比較
受験校を選ぶなら、入試難易度は外せない。 ただ、入学後まで比べるなら、院進率、研究室、卒業後の進路も同じくらい具体的な材料になる。
電通大では修士まで含めると進路の特徴がはっきりする。 電通大で院進がどのくらい普通なのかを数字から追うと、その構造が見える。
近い受験候補として挙がりやすい東京農工大との違いも、偏差値より専門の決め方を比べた方が大学生活の差をつかみやすい。
電通大を一語で格付けするより、何を学び、その専門がどこへつながっているかを見る。 公開情報から読めるこの大学の強さは、そこにある。
参考資料 2
- 電気通信大学 進路状況 — 電気通信大学(確認 2026/8/30)
- 令和6年度卒業生・修了生の主な就職先 — 電気通信大学(確認 2026/8/30)